9. みちびき L1S対応

  みちびき対応機種というと、センチメータレベルの高精度位置測定ができると誤解されている方もいると思います。

  『ザ・ゴルフウォッチ プレミアムⅡ』 からグリーンオンではみちびきのL1S対応にするにあたり、みちびき対応に関して分かり易く説明したいと思います。

みちびき 3号機 出典:qzss.go.jp

  みちびきは次の3つの機能があります。

1.GPSの補完
2.GPSの補強
3.メッセージサービス

  1.GPSの補完は、米国のGPS衛星と同じ信号を出すことにより、GPS衛星数が増える効果があります。みちびき対応と謳っているほとんどのスポーツ向け1周波GPS機器は、この機能を意味しています。位置計算に用いるGPS衛星数が増えることは良いことですが、1つ増えても位置計算精度への寄与は極めて限定的です。むしろGPS衛星の配置の方が重要です(7章の(3)GPS衛星の配置の影響を参照)。

  2.GPSの補強は、GPSの位置計算精度を補強する機能です。私たちがみちびきに期待するのは正にこの機能です。みちびきでGPSの精度を補強するレベルは2つあります。1つは1m級の精度を実現するもの(サブメータ)で、もう1つはcm級の精度を実現する(サブセンチメータ)ものです。サブセンチメータを実現するには大きなアンテナと特殊な高価な受信機が必要で、価格も現状では大変高価であり、一般消費者向けではありません。みちびきのL1S対応とは、サブメータ(1mの精度)を実現する機能で、1周波の一般消費者向けGPS機器で対応可能です。グリーンオンプレミアムⅡは、世界で初めてL1Sに対応するウェアラブルなGPS機器です。

  3.メッセージサービスは、災害時に避難情報とのメッセージを送るサービスです。

  L1Sによる位置精度の向上に関してもう少し説明します。GPSの位置計算誤差の要因とこれまでの対応策については、7章8章をご参照ください。ここで述べているように、これまでは、主に航空機のために開発されたSBAS(MSAS)の補正データを活用していましたが、広域を対象にしており、一般消費者がスポーツ等に使う1周波の小型GPS機器では、精度の改善は十分とは言えませんでした。

  これに対し、L1Sは、みちびきを活用した日本独自のGPS補強方式です。全国をカバーするGPSモニター局のデータに基づき、それぞれの場所でのその時間のGPS補正データ(DGPS)をみちびきを経由して放送します。GPS機器はこのDGPSデータを受信して位置計算の際の補正に使います。このようにして、1m級の精度が達成されます。

  これまで、GPSキャディーは、コースや天気の状況に影響しないでいつでも使える、操作が簡単、という大きなメリットがあるが、電離層の影響等で精度が時々悪くなるとして、使用に制約が多くてもレーザ距離計を使う人もいました。GPSキャディーは、L1Sに対応することで、この欠点も克服されます。

  ゴルフは、プレイファストが求められるスポーツです。L1Sに対応したGPSキャディーは、プレイファストにゴルフを楽しむための機器として、もう一つの変革を遂げました。


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